小さな会社の決算業務(e-TaxとeLTAX)
年末と決算業務の大まかな流れ
年間の年末業務と決算業務は下記の通りです:- 役所から年末書類が届く→提出の要否を判断→郵送かネットで提出(提出期限厳守)
- 確定申告の書類:決算月が過ぎると役所から申告書類か通知が届く
- 決算書の作成と納税申告
- 収入・領収書のチェック
- 仕訳チェック
- 決算書作成
- 申告書と付表等を作成/国税(e-Tax)
- 申告書作成/地方税(eLTAX)
- 電子納税(口座振替)
尚、経費で迷うものは該当しないと考える方が妥当です。
関連記事:
「小さな会社の年末調整:年調アプリは大変便利」
「給与支払報告書と法定調書:eLTAXで一括提出」
「源泉所得税:所得税徴収高計算書の提出はe-Tax(WEB版)」
確定申告(税務署):e-Tax
(1)マイナンバーカードとカードリーダー
税務署への確定申告には国税庁e-Tax(電子申告)の利用が便利です(手数料無料)。申告書や別表・勘定科目明細書なども作成できPDF保存もできます。e-Taxを利用するには「利用者識別番号(半角16桁の番号)」が必要です:
- 一番簡単な方法は「WEBから取得」する方法です
- 「開始届出書(法人用)新規」から必要項目を入力します
e-Taxソフトの利用は無料で利用できる決算・申告ソフトと思うとお得です。社長のマイナンバーカード(発行無料)が会社の本人確認に利用できます。
マイナンバーカードがあると確定申告がネットで完結できます。
カード読み込みにはカードリーダーが必要です。カードリーダーは3千円程度です。
スマホ利用の場合はマイナンバーカードの読み取り可能な機種が必要になります→マイナンバーカード読取対応のスマートフォンの一覧
電子送付ではなく印刷して郵送することもできます(マイナンバーカード不要)。e-Taxの利用は大幅な事務削減につながるのでおすすめです。
関連記事:
「社長のマイナンバーカード更新:E-TAXとELTAXの注意事項」
(2)申告書作成
e-Tax(ソフト)には必要な「申告書」「別表」「勘定科目明細書」が準備されています。所得税申告から必要な別表などを選択する仕組みになっています。「別表」や「勘定科目明細書」の作成だけに利用して印刷することもできます。手書きの人は大変便利になります。
決算書は会計ソフトからe-Taxに「データ出力」するか「手入力」します。
決算書だけ別途郵送することもできます。e-Taxでは決算書(PDFファイル)を送信することは残念ながら認められていません。
(3)e-Taxで電子納税
e-Tax送付により電子納税が可能になります:- ダイレクト納付(口座振替/事前登録要)
- インターネットバンキング(Pay-easy:社長ネット口座からも振替可能)
- ATM(Pay-easy:現金も可)
[注意事項]
- 上記届出書の入力は「Internet Explorer 11」でしかうまく入力できません
- ブラウザが「Google Chrome」や「Microsoft Edge」では駄目です
- 国税庁HPには「手書き用」もあります
尚、Pay-easy(ペイジー)による電子納税も可能です(ATMや社長等のネットバンキング)。
確定申告(地方自治体):eLTAX
(1)eLTAX概要
地方税の確定申告(県と市)にはeLTAX(地方税ポータルシステム)を利用します。e-Taxと同様にマイナンバーカードとカードリーダーが必要になります。必要な「申告書」と必要に応じて「別表」が準備されています。県と市を別々に準備してネットで送付します(印刷郵送も可)。
特殊な取引がなければ県と市に申告書を送付するだけです。e-Tax(税務署)と比べると提出書類はかなり少ないです。
eLTAXは届け出をすれば無料で利用できます。納税は全国自治体にPay-easy(ペイジー)や口座振替(ダイレクト納付)で電子納税可能です。
(2)利用開始届(新規)
利用開始の流れは下記の通りになります:- 「利用届出(新規)」を提出(サイト左下)→「ID取得」
- 新システムをダウンロード→利用開始
(3)システムのダウンロード
システムは3つあります:- 「PCdesk(WEB版)」:e-Tax(WEB版)と同じで限定した手続きのサービス
- 「PCdesk(DL版)」:旧来システムの進化系(これをダウンロード)
- 「PCdesk(SP版)」:スマホ版
関連記事:
「ELTAX(地方税ポータルシステム)がバージョンアップで大変便利に」
追記:電子納税が可能な金融機関一覧
国税や地方税の支払いは電子納税(口座振替やペイジー)が便利です。ただし一部のネット銀行では口座振替やペイジーが利用できない場合があります。口座を開設する際には注意が必要です。
電子納税が可能な金融機関一覧については下記をご参照ください:
- 国税(e-Tax)で利用可能な金融機関⇒国税庁「ダイレクト納付が利用可能な金融機関一覧」
- 地方税(eLTAX)で利用可能な金融機関⇒利用可能な金融機関
- ペイジーで利用可能な金融機関⇒Pay-easy「ペイジーが使える金融機関一覧」
関連記事:
「小さな会社の確定申告書の作り方:E-TAXとELTAX」
「法人税と地方税:中間申告と中間納付」