給与支払報告書と法定調書:eLTAXで一括提出


給与支払報告書と法定調書合計表

会社は従業員居住の地方自治体に給与支払報告書を毎年提出しなければなりません。基準は1/1に居住している市町村宛です。

毎年1月31日が報告書の提出期限です。🚩

同時に法定調書(源泉徴収票)を会社所在地の税務署に提出しなければなりません。

以前は給与支払報告書と法定調書は煩雑で重複した事務でした:
  1. 給与支払報告書→市町村(従業員の居住地)
  2. 法定調書合計表(源泉徴収票)→税務署(会社の所在地)
eLTAXを利用すると一括提出できます。事務が大幅に削減でき大変便利です。

eLTAXの利用時間は平日の8:30~24:00です。繁忙期には土日も稼働してくれますが12月は休日運用日がありません。eLTAXで給与支払報告書を作成するので12月の土日も稼働してほしいです。🚩

利用時間外であっても入力はできます(発送は不可)。


一括提出:給与支払報告書と法定調書合計表

(1)eLTAXで一括送付

  1. メインメニュー:申告に関する手続き
  2. 申告データの作成→利用者情報確認(→次へ)
  3. 個人住民税→「給与支払報告書・源泉徴収票及び合計表」をチェック(→次へ)
  4. (必要に応じて特別徴収義務者/源泉徴収義務者情報登録に加筆修正)(→次へ)
  5. 作成方法選択:「手入力」と「新規」、支払年分/支払い期間は「給与支払い年度」を入力、提出日は「1月中の日」、源泉と一括提出は「無」(チェックせず)(→次へ)
  6. 源泉徴収票の項目を入力(下記参照)→次へ→「合計表入力」(下記参照)
  7. 署名(社長マイナンバーカード)→送信
作成は「給与支払報告書(源泉徴収票)」(市町村宛)と「法定調書合計表」(税務署宛)です。一括作成・送信ができます。

入力途中でデータを「一時保存」できます(パソコンにデータ保存)。作成再開は「申告データの作成(再開)」から保存データファイルを読み込み開始します。🚩

尚、eLTAXは全面表示(最大化)だと下の「次へ」「戻る」などが隠れてしまいます。右上の全面表示を解除すると最下段も表示されるようになります。

(2)給与支払報告書(源泉徴収票)

給与支払報告書(源泉徴収票)には「源泉徴収簿」から数字を入力していきます→源泉徴収票の記載の仕方/国税庁

[提出先]
  • 作成区分:地方税・国税
  • 地方税提出先:給与支払報告書を提出する市町村を選択
所得には下記の数字が必要になります(→前年度PDFと本年の源泉徴収簿を参照):
  1. 支払金額(種別:「給与」🚩)
  2. 給与所得控除後の金額
  3. 所得控除の額の合計額
  4. 源泉徴収税額
控除には下記の数字が必要になります:
  • 社会保険料等の金額
  • 生命保険料の控除額(→生命保険料の内訳も入力)

(3)入力漏れ・エラーの多い項目

[入力漏れが多い項目]
  • 個人番号(マイナンバー)🚩(受給者番号は入力不要)
  • 役職・氏名(フリガナ)
  • 住所🚩
  • 配偶者の「有無」🚩
  • 生年月日
  • 生命保険料の内訳:旧生命保険料の金額など🚩
  • 法人番号
会社の基本情報はeLTAXに保存されているので初回以降は入力不要です。

尚、データを「一時保存」もできます。パソコンにデータ保存されます。作成再開は「申告に関する手続き:申告データの作成(再開)」からパソコンの保存データファイルを読み込み開始します。

(4)合計表

給与支払報告書の入力を完了し「次へ」で合計表に移ります。

以後一括作成のシステム上追加や修正をできない項目(給与支払報告書/源泉徴収票)があります。修正は初めから入力になります。「次へ」で合計表に進む前に再度漏れがないかチェックしましょう(一時保存したデータがあれば利用できます)。🚩

利用者識別番号(税務署)を入力すると2つの宛先(自治体と税務署)ごとに報告書が作成されます。一括送付はe-Tax(税務署)も利用開始している必要があります。

「合計表作成」で入力に進みます:
  1. 提出区分:「新規」
  2. 「俸給、給与、賞与等の総額」と「源泉徴収票を提出するもの」の行を入力(基本同じ)
  3. 各行の「人員」「支払金額」「源泉徴収税額」を入力→「保存」
※入力漏れがあると「保存」ができません(非表示のまま)

入力を完了したら「次へ」で署名・送信か後日に行います(1月1日~1月31日)。

(5)署名・送信

署名をして送信します(社長のマイナンバーカードで署名可):
  1. 申告データの作成→申告データの電子署名
  2. 対象の申告書をクリック(自治体と税務署)
  3. 署名付与→公的個人認証サービス(個人番号カード)(→次へ)→マイナンバーカードをカードリーダに乗せる*→暗証番号(6文字以上16文字以下のもの)を入力
  4. 続けて送信→送信(自治体分)🚩
  5. 税務署分は「利用者識別番号」と「暗証番号」を入力して送信🚩
*読み取りにはカードリーダーが必要です(3千円程度)
*マイナンバーカードのIC部分をカードリーダの中心付近に合わせる

データは送信後「いいえ」でeLTAXに残した方が無難です。🚩

尚、削除してしまった場合も自治体分の申告書は受付完了通知の「照会」から保存できます。税務署分はe-Taxから保存できます。

税務署の受信通知はe-Taxのメッセージボックスで確認する必要があります。eLTAX側ではエラー表示がされないので注意が必要です。🚩

関連記事:
「小さな会社の確定申告書の作り方:E-TAXとELTAX」
「小さな会社の年末調整:年調アプリは大変便利」

まとめ:eLTAXで一括送付は大変便利

給与支払報告書と法定調書(源泉徴収票)の準備は年末年始の忙しい時期です。eLTAXは事務作業を効率化してくれます。

重複する事項を1回の入力で必要書類を作成し税務署と各市町村に送付してくれます。eLTAXの一括提出はおすすめします。

社長のマイナンバーカードがあれば会社の本人確認に利用できます。読み取り可能なスマホかカードリーダーが必要になります。

関連記事:
「小さな会社の決算業務(e-TaxとeLTAX)」
「社長のマイナンバーカード更新:E-TAXとELTAXの注意事項」

付記:eLTAX利用開始届(新規)

利用開始の流れは下記の通りになります:
  1. 利用届出(新規)」を提出(サイト左下)→「ID取得」
  2. 新システムをダウンロード→利用開始
新システムは3つあります:
  • 「PCdesk(WEB版)」:e-Tax(WEB版)と同じで限定した手続きのサービス
  • 「PCdesk(DL版)」:旧来システムの進化系(これをダウンロード)
  • 「PCdesk(SP版)」:スマホ版
ちょっとわかりにくいですがDL版をダウンロードするためにWEB版からログインします。「LTN Setup.exe」をクリックするとインストールが始まります。

関連記事:
「ELTAX(地方税ポータルシステム)がバージョンアップで大変便利に」

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