個人投資家ができるウクライナ支援


欧州買い/ロシア売り

(1)株式(ADR)

個人投資家ができるウクライナ支援は「欧州買い/ロシア売り」でしょう。日本から欧州株を買うことができる銘柄は限られています。

一番簡単なのがNY市場やナスダックで上場している欧州株(ADR)を買うことです。

ネット証券会社なら多くの銘柄を扱っています(→SBI証券「ADR銘柄一覧」):
  • イギリスは多数上場(ADR)
  • スイス・ルクセンブルク
  • オランダ・ドイツ・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド
※ロシア投資はADRだけでなく直接投資も可能です(→SBI証券「ロシア株式取引」)

ロシア企業の売りに異論はないでしょう。株の保有は金融支援になります。

問題はロシア制裁に棄権をしている国々です。

[国連総会のロシア非難決議]
  • 賛成(141か国):圧倒的多数(8割)
  • 反対(5か国):ロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エルトリア
  • 棄権(35か国):アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、バングラデシュ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ、中国、コンゴ共和国、キューバ、エルサルバドル、赤道ギニア、インド、イラン、イラク、カザフスタン、キルギス、ラオス、マダガスカル、マリ、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、ニカラグア、パキスタン、セネガル、南アフリカ、南スーダン、スリランカ、スーダン、タジキスタン、ウガンダ、タンザニア、ベトナム、ジンバブエ
反対国の株式投資はロシア以外ではまずないでしょう。棄権国の中国・インド・南アフリカ・ベトナムは個人投資家にも馴染みのある国々です。

日本企業も取引がある身近な国々です。棄権国の多くはロシアから武器を購入している国々でしょう。

投資に絶対基準はありません。個人の潔癖度合いに合わせて取引を見合わせるのが適切です。

特に悩むのは中国でしょう。中国はロシア侵攻を批判していません。

戦争ではなく「軍事作戦」と言いロシアの論調に合わせています。双方自制か米国批判に終始しています。

一線を越えるのは棄権国がロシア経済制裁の抜け穴になっている場合です。あなたの投資資金がロシア支援に向います。

プーチンの戦争にお金を回さないことは極めて重要です。投資家のウクライナ支援の根幹になります。

(2)追記:国連人権理事会でロシア資格停止を可決(2022年4月7日)

キエフ近郊からロシア軍撤退後にブチャなどで民間人殺害が発覚しました。

国連総会緊急会合の人権理事会はロシア資格停止を可決しました:
  • 賛成:93か国
  • 反対:24か国
  • 棄権:58か国
※反対国はアルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ、中国、コンゴ、キューバ、北朝鮮、エリトリア、エチオピア、ガボン、イラン、カザフスタン、キルギスタン、ラオス、マリ、ニカラグア、ロシア、シリア、タジキスタン、ウズベキスタン、ベトナム、ジンバブエ

棄権の主な国はインド、インドネスア、マレーシア、タイ、モンゴル、ネパール、パキスタン、カタール、サウジアラビア、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、エジプト
中国は中立の立場からロシア支持のルビコン川を渡りました。ベトナムも反対の立場で非常に残念です。

(3)投資信託

投資信託も基本は上記の株式と同じスタンスです。ロシア株や債券が入っていないか一度チェックする必要があります。

インデックス投信やヨーロッパ投信には注意が必要です。

目論見書を見ればポートフォリオの記載があります。ネット証券ならPDFの閲覧で確認できます。

欧州支援を意図した投信購入は目論見書の確認が大切です。ポートフォリオの中身を確認して納得感をもって投資することが必要です。

(4)外貨建てMMFや外貨預金?

投資で欧州支援はしたいが株はちょっとという人もいるでしょう。外貨建てMMFは元本保証の投資信託です(為替リスクはあり)。

ただネット証券ではユーロやポンドの外貨建てMMFを取り扱わなくなりました。

トルコリラ建てはありますが非常に不安定な通貨です。トルコはドローン兵器を供与してウクライナ支援をしています(対ロシア戦車対策)。

外貨預金でユーロや英ポンドを購入することはできます。難点は定期預金でも金利はほぼなしです(→住信SBIネット銀行「外貨定期預金」)。

(5)FX:ロシアルーブル売り?

FXでロシアルーブル売りを考える人もいるでしょう。空売り(ショートポジション)は値下がりすると儲かる取引です。

FX(外国為替証拠金取引)は投資というより投機の世界です。否定も肯定もしませんが投資とは全く違う世界です。

ロシアルーブルが暴落するなら売りですが為替取引は動きが早くとても疲れます。心情的には賛成ですが為替取引の予想は現地の政治予想とおなじくらい困難です。

関連記事:
「投資情報テレビ番組一覧(初級編)」
「投資情報:経済ニュースアプリ一覧」

まとめ:支援なのか投資なのか

支援なのか純粋な投資なのか曖昧だと長続きはしません。多くの人は支援の気持ちはあっても損までは許容できないでしょう。

やさしい支援の気持ちと同時に冷静な分析力も必要です。第三次世界大戦のようなことになれば欧州の停滞は長期化します。

戦争の予想は困難です。ロシア侵攻は国連事務総長でさえ失敗を認めていました。

無理ない範囲で欧州の大企業かインデックス投信が良いと思います。タイミングは戦火を避けて復興時というのも安全な選択肢です。

支援は最も必要としてる時に最も困っている相手にするというのが大原則です。寄附の考え方です。

投資では「安全性」という別の要素も絡んできます。両者に共通するのは自分の懐に合わせて行うということです。

※投資は自分で勉強してあくまでも「自己責任」でお願いします。👷

関連記事:
「社会貢献:寄付とビジネス」
「負担の少ない社会貢献活動:物品寄付」

追記:ウクライナ政府への寄附

ウクライナ政府(在日ウクライナ大使館)は寄付金を募っています(集められた寄付金はすべて人道援助にのみ使われます):
  • 三菱UFJ 銀行
  • 広尾支店 (047)
  • 普通
  • 口座番号:0972597
  • エンバシーオブウクライナ
Donations to Ukraine Gov. in Japan
  • MUFG Bank
  • Hiroo Branch (047)
  • Ordinary 0972597
  • Embassy of Ukraine


関連記事:
「国際情報テレビ番組一覧:NHK BS1やBBCなど」
「国際結婚の手続き(DIY)」

Advertisement

Advertisement

人気の投稿