IT活用のすすめ(経理編)


e-Taxと電子納税

(1)マイナンバーカードと電子納税

法人は税務署への確定申告には国税庁のe-Tax(電子申告)が利用できます。申告書や別表・勘定科目明細書などを作成できてPDFファイルに保存もできます。

「マイナンバーカード」と「カードリーダー」が必要になります。マイナンバーカードは発行無料でカードリーダーは2~3千円程度です。

個人の申告には確定申告書等作成コーナーから利用できます。金額を入力すると税額が自動計算されて申告書の作成・提出ができます(スマホ可)。

PDFファイルの保存もできます。

申請は社長のマイナンバーカードとカードリーダーを利用すれば自社で完結します。会社の場合は大幅な事務削減にもつながります。マイナンバーカードの利用はあまり進んでないようですがとてもおすすめです。

納税には「口座振替」が利用できます。ペイやPay-easy(ペイジー)による電子納税も可能です。ペイジーはネットバンキングや銀行ATMより納税します。

(2)電子納税と口座振替:一部未対応のネット銀行

一部のネット銀行では口座振替やペイジーが利用できない場合があります。銀行口座を開設する際には注意が必要です。

住信SBIネット銀行ではPay-easy(ペイジー)による電子納税が利用できません。口座振替による納税も利用できません。残念ながら他銀行の口座が必要になります。

大多数の普通銀行では口座振替や電子納税は問題ありません。他のネット銀行もPay-easy(ペイジー)などによる電子納税が可能です。

①ペイジーにより納税可能な金融機関については下記をご参照ください→Pay-easy「ペイジーが使える金融機関一覧」

②口座振替が利用可能な金融機関については下記をご参照ください→国税庁「ダイレクト納付が利用可能な金融機関一覧」

地方税のeLTAX

(1)システム一新で大変便利に

法人の地方税の確定申告にはeLTAX(地方税ポータルシステム)を利用します。e-Taxとは別のシステムで令和元年10月にシステムが一新しました。

届け出をすれば無料で利用できます。申請は社長の「マイナンバーカード」と「カードリーダー」があれば自社で完結します。

納税もPay-easy(ペイジー)の他に口座振替(ダイレクト納付)が可能になりました。大変便利になりました。システム一新により官民双方で業務の効率化が可能になりました。

(2)利用時間が平日のみから大幅改善

eLTAXの利用時間は平日8時30分~24時。毎月最終土曜日と翌日日曜日が利用可能になりました(1月などの繁忙月は24時間稼働)。

家族運営の小さな会社では平日は遅くまで働き土日に経理/総務事務が普通です。現代社会では夜間に働く多様な働き方もあります。新システムになり利用時間が大変便利になりました。

関連記事:
「ELTAX(地方税ポータルシステム)がバージョンアップで大変便利に!」

オンライン謄本請求:利用時間が平日のみが残念

(1)登記・供託オンライン申請システム

謄本取得にはオンライン登記事項証明書請求が利用できます。サービス提供は平日のみです(午前8時30分〜午後9時まで)。

ネット申込なので24時間受付可能だと便利です。様々な人が利用するサービスですので。

いつでも投函できる郵便ポストと同じ発想です。多様な働き方のある現代社会に合わせて頂きたいです。

(2)登記情報提供サービス

登記情報の内容確認に利用できます。こちらの利用も平日のみです(午前8時30分〜午後9時まで)。

データ提供サービスなので24時間稼働は比較的容易だと思います。多様な働き方のある現代社会に合わせて頂きたいです。

社会保険料領収書:郵送のみ→ネット対応

社会保険料では毎月事業所に「納入告知書(納付書)」が送られてきます。口座振替になっていても毎月「領収書」を郵送してくれます。

ネット対応も2024年1月から開始されました。 オンライン事業所年金情報サービスが「保険料納入告知額・領収済額通知書」も送付対象になりました(令和6年1月~)。既利用者(事業者)も電子送付変更手続きが必要です(→e-Gov)。 

官民双方で効率化が可能になります。

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「GビズID:行政サービスのログインをラクに?」

まとめ:ITの活用で効率化推進を

日本には24時間365日利用できないシステムがまだまだあります。シティバンクは2000年以前に24時間365日ネットバンキングが利用できました。

多様な働き方がある21世紀の日本社会です。平日稼働(夜間停止)のみのシステム設計は時代遅れです。時間的・空間的にシームレスなのがネット社会の特徴(長所)です。

日本はシステム設計の発想の転換が必要です。技術力というよりも設計者や運用者の発想の転換が求められています。

人手不足の日本社会は業務の効率化が求められています。生産性を上げるしか日本企業の競争力を向上する道はないでしょう。少なくとも経理分野はIT化の恩恵が最も感じられる分野だと思います。



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「フリーウェイ経理LITEレビュー」
「小さな会社の決算業務(e-TaxとeLTAX)」

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