老後資金:老後2000万円問題と年代別投資方法
老後2000万円問題
(1)年金受給額の確認
老後2000万円問題が話題になりました。老後の不安はいつの時代にもあることです。老後に向けて準備することは昔からやってきたことです。
寿命が伸びたことで想定外の老後資金の不足も出てきました。
現役世代の人は「ねんきんネット」でもらえる年金予想額を確認すると良いです。老後資金の準備に本腰が入ります。
自分の両親や祖父母に年金額を聞くのも良いでしょう。月10万円あるかというレベルです。
国の年金破綻はありえません。不安に煽られることなく老後資金の準備を計画的に進めることが合理的です。
老後の準備は早く始めるほど楽になります。特に既婚者の女性は旦那さん死亡後の年金額の確認も大切です。女性は長生きしますから。
(2)年金の繰下げ受給で増額
年金受給額が思ったより少ないと感じた人は多いでしょう。年金の受給開始時期を遅らせると年金額はかなり増えます:
- 66歳:+8.4%
- 67歳:+16.8%
- 68歳:+25.2%
- 69歳:+33.6%
- 70歳:+42.0%
- 71歳:+50.4%
- 72歳:+58.8%
- 73歳:+67.2%
- 74歳:+75.6%
- 75歳:+84.0%
特に女性は平均寿命が男性と比べて長いです。70歳から受給にすると1割程度総額で受給額が増える計算です。🚩
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「ゼロ円から始める資産形成(老後資金)」
老後に必要な資金
老後に必要な資金は下記のとおりです:「毎月の生活費」-「年金」=「足りないお金(毎月)」
毎月の生活費は現在の生活費からわかるでしょう。家賃・光熱費・食費と通信費・娯楽費などです。
年金の額は社会保険庁から送られてくる「年金特別便」で概算額がわかります。
例:(毎月の生活費:15万円)-(年金:10万円)=足りないお金(5万円/毎月)
人生100年時代ですので年金開始の65歳から100歳まで35年間です。上記の毎月不足額の毎月5万円で計算すると下記の通りになります。
毎月不足額(5万円) x 12か月 x 35年=2100万円(1人分)
だいたい2000万円(1人分)ですね。
各自の生活費と年金額によって必要な資金が異なってきます。
下記では2000万円をケースに年代別アプローチをしていきます。自分の該当する年代を中心に読み進めてみてください。
将来に向けて準備すれば一番メリットがある世代でもあります。
年金開始の65歳まで35年あります。
老後資金の年代別アプローチ
(1)30代(モデルケース30歳)
老後はまだ先のことだと考えがちな世代です。まだ遊びたい時期でもあります。将来に向けて準備すれば一番メリットがある世代でもあります。
年金開始の65歳まで35年あります。
老後2000万円必要なケースで単純に35年で割ると下記の通りになります。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 35年 ÷ 12か月=5万円(毎月)
ちょっとしんどいですかね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が5800万円になります。毎月1.8万円で2000万円に到達できます。
これなら節約などで何とかなりそうですね。まさに運用の力です。
運用する人には時間が有利に働きます。
正社員で恵まれている人はお給料と賞与(ボーナス)で少し余裕があるでしょう。
年金開始の65歳まで25年あります。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 35年 ÷ 12か月=5万円(毎月)
ちょっとしんどいですかね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が5800万円になります。毎月1.8万円で2000万円に到達できます。
これなら節約などで何とかなりそうですね。まさに運用の力です。
運用する人には時間が有利に働きます。
(2)40代(モデルケース40歳)
そろそろ老後を意識し始める時期です。結婚している人は子育てにお金がかかる時期でもあります。正社員で恵まれている人はお給料と賞与(ボーナス)で少し余裕があるでしょう。
年金開始の65歳まで25年あります。
老後2000万円必要なケースで単純に25年で割ると下記の通りになります。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 25年 ÷ 12か月=7万円(毎月)
ちょっとしんどいですね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が4300万円になります。毎月3.3万円で2000万円に到達できます。
これなら何とかなりそうですね。
家庭によっては子供の大学の授業料などで負担がのしかかる時期です。奨学金ローンを抱える家庭もあるでしょう。
正社員で恵まれている人はお給料と賞与にかなり余裕がある時期です。各家庭で貯金や収入に大きく差ができる世代です。
年金開始の65歳まで15年あります。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 25年 ÷ 12か月=7万円(毎月)
ちょっとしんどいですね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が4300万円になります。毎月3.3万円で2000万円に到達できます。
これなら何とかなりそうですね。
(3)50代(モデルケース50歳)
老後をまじめに考え始める時期です。結婚している人は子育てが終わる頃でもあります。家庭によっては子供の大学の授業料などで負担がのしかかる時期です。奨学金ローンを抱える家庭もあるでしょう。
正社員で恵まれている人はお給料と賞与にかなり余裕がある時期です。各家庭で貯金や収入に大きく差ができる世代です。
年金開始の65歳まで15年あります。
老後2000万円必要なケースで単純に15年で割ると下記の通りになります。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 15年 ÷ 12か月=11万円(毎月)
家庭によってはしんどいですね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が3100万円になります。毎月7.1万円で2000万円に到達できます。
それでもちょっとしんどいかもしれません。まったく蓄えがない人は少しでも身の回りものを売却して運用に回しましょう。
正社員の人は定年する頃です。転職して給料の額が激減する時期でもあります。
これまでの蓄えに大きく差が出る世代です。
(老後必要資金:2000万円) ÷ 15年 ÷ 12か月=11万円(毎月)
家庭によってはしんどいですね。
毎年「5%運用」をしたとすると2000万円が3100万円になります。毎月7.1万円で2000万円に到達できます。
それでもちょっとしんどいかもしれません。まったく蓄えがない人は少しでも身の回りものを売却して運用に回しましょう。
(4)60代(モデルケース60歳)
事実上老後が始まる時期です。年金も早期受給できます。正社員の人は定年する頃です。転職して給料の額が激減する時期でもあります。
これまでの蓄えに大きく差が出る世代です。
年金開始の65歳まで5年しかありません。
退職金2000万円を期待できるでしょうか?(→無理!?)退職の時期の景気の良し悪しにも関係します。
蓄えもなく退職金も期待できない人は生活費を切り詰めるしかありません。健康に気を使いできるだけ長期間働けるように備えましょう。
少しでも身の回りものを売却して蓄えに回しましょう。
たとえ少額でも余裕資金を投資に回して生活の足しにしましょう。人生100年時代ですから遅すぎることはありません。
関連記事:
「メルカリやPAYPAYフリマ・ラクマのすすめ」
投資先は株式のインデックスファンドがおすすめです。
インデックスファンドとは日経平均やS&P500などの指標に応じた金融商品です。ETF(上場投資信託)を活用して投資することができます。
インデックスファンドの利点は「倒産リスクがほぼないこと」と「手数料の安さ」です。
手数料率は長期投資の成果には非常に重要な要因です。毎年かかる信託報酬額(管理費用)は必ずチェックしましょう。
S&P500がおすすめな理由は米国企業の成長力を投資成果に取り込むためです。S&P500の米国企業は国際的に有数な企業がほとんどです。
日本は成熟して安定した社会ですが低成長です。ただ日本株は為替リスクがありません。一方アメリカ株には為替リスクがあります。
国際分散投資ファンドやロボ運用は手数料が比較的高いです。
債券や金などに投資すると価格は安定するかもしれませんが長期利回りは下がります。将来の年金補完のために長期運用する人は注意が必要です。
老後準備資金と新興企業は相性がよくありません。余裕資金ができてからやりましょう。
不動産が好きな人は「REIT(不動産投資信託)」を検討してみましょう。東証に上場しているのでネット証券を通して簡単に不動産に分散投資ができます。
一番簡単なのは「新NISA」です。1800万円の非課税枠が利用できます。株式は内1200万円まで利用できます(成長投資枠)。つみたても新NISAで利用できます(つみたて投資枠)。
退職金2000万円を期待できるでしょうか?(→無理!?)退職の時期の景気の良し悪しにも関係します。
蓄えもなく退職金も期待できない人は生活費を切り詰めるしかありません。健康に気を使いできるだけ長期間働けるように備えましょう。
少しでも身の回りものを売却して蓄えに回しましょう。
たとえ少額でも余裕資金を投資に回して生活の足しにしましょう。人生100年時代ですから遅すぎることはありません。
関連記事:
「メルカリやPAYPAYフリマ・ラクマのすすめ」
何に投資するか
(1)インデックス投資(ETF)
上記想定の「5%運用」を考えると証券投資を考える必要があります。手数料の安いネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)を検討しましょう。投資先は株式のインデックスファンドがおすすめです。
インデックスファンドとは日経平均やS&P500などの指標に応じた金融商品です。ETF(上場投資信託)を活用して投資することができます。
インデックスファンドの利点は「倒産リスクがほぼないこと」と「手数料の安さ」です。
手数料率は長期投資の成果には非常に重要な要因です。毎年かかる信託報酬額(管理費用)は必ずチェックしましょう。
S&P500がおすすめな理由は米国企業の成長力を投資成果に取り込むためです。S&P500の米国企業は国際的に有数な企業がほとんどです。
日本は成熟して安定した社会ですが低成長です。ただ日本株は為替リスクがありません。一方アメリカ株には為替リスクがあります。
国際分散投資ファンドやロボ運用は手数料が比較的高いです。
債券や金などに投資すると価格は安定するかもしれませんが長期利回りは下がります。将来の年金補完のために長期運用する人は注意が必要です。
(2)個別株
どうしても個別株に投資したい人は「国際的な大企業」に分散投資しましょう。間違っても新規公開株や新興企業への投資は厳禁です。老後準備資金と新興企業は相性がよくありません。余裕資金ができてからやりましょう。
(3)不動産投資:REIT(不動産投資信託)
不動産の現物投資も悪くないですが分散投資ができません。不動産は手間暇もかかりサラリーマンなど仕事がある人には向いていません。不動産が好きな人は「REIT(不動産投資信託)」を検討してみましょう。東証に上場しているのでネット証券を通して簡単に不動産に分散投資ができます。
(4)新NISA(少額投資非課税制度)の活用
「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」も検討対象です。投資利益に税金がかかりませんので節税になります。一番簡単なのは「新NISA」です。1800万円の非課税枠が利用できます。株式は内1200万円まで利用できます(成長投資枠)。つみたても新NISAで利用できます(つみたて投資枠)。
期限なし(無期限)で恒久化された少額・長期・積立・分散の投資を支援する非課税制度です。他に200万円あれば老後2000万円問題はクリアです!
投資詐欺にあわないために
投資詐欺を避けるには東証一部上場企業に「大手証券会社」を通して投資することです。これだけで大半の投資詐欺や不適切な投資から身を守れます。最低限の投資教育はこれだけでいいのです。主要ネット証券は東証一部上場企業です。
投資信託なども大手企業が運営するものだけに限ることです。大手企業とは「東証一部上場企業」です。
よくわからない人は「大手銀行」の窓口に相談しましょう。「大手」がキーワードです。
間違ってもよく知らない企業の投資セミナーに参加するのは止めましょう。景品や有名人などの「釣り」にも気を付けてください。
たったこれだけの投資教育が今は不足しているのです。恥ずかしながら田舎の父親も不信な不動産セミナー(アパート経営)に参加していました。
欲深いと投資詐欺や身の丈に合わない投資に引き寄せられます。老後資金には大企業に分散投資の安定運用が求められます。
まとめ:計画的投資で老後不安は解消できる
投資で1番の失敗は投資先選びの失敗です(倒産→ゼロ/無価値)。2番目が何もしないことです(機会損失→資産一定)。老後不安は計画的に準備すれば解消できます。今やるべきことがわかるからです。
将来への備えは誰しも必要なことです。誰しも老いがやってくるからです。
節約して投資資金を捻出することはとても重要なことです。投資額が増えるだけでなく将来の無駄使いの習慣が治るからです。
必要な老後資金も減ります。1万円稼ぐのと1万円節約するのは資産運用上同じことです。
早ければ早いほど将来の蓄えの準備は楽になります。
節約だけでは人生が味気ないものになってしまうのも事実です。バランスを考えて人生も楽しみましょう。
老後働く場所の確保も老後資金の準備と同じくらい重要です。大人の人間関係は仕事を通してなされるからです。
適度な仕事ストレスは人生の刺激になります。衣食住を確保した上で1番の苦痛は何もすることがないことです。
お金があっても不幸人生になってしまいます。趣味だけでは人生100年時代に時間を持て余してしまうでしょう。
※投資は自分で勉強してあくまでも「自己責任」でお願いします。👷
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