起業準備:開業資金と借入計画


開業資金

(1)軍資金の準備

  • 創業前の計画段階に軍資金を準備
  • 志定まれば道あり
お金というのは現実の問題です。起業には随分お金がかかります。

粛々とお金を貯めるほかありません。まずは頑張って貯金をしましょう。

最低限必要な開業資金を大まかに見積りましょう。具体的な目標金額と設立期限をもとに積立貯金を計画的に進めましょう。

(2)開業資金とダム資金

  • 創業には思いのほかお金がかかります
  • 起業するとお金は減る一方です
  • 安定軌道に乗るまでのダム資金(予備資金)は必ず準備しましょう
設備や経費の支払いが先に必要です。売上げによるお金の回収は仕入れに対して遅れて入ってくるのが普通です。

通常1~2ヵ月程度の遅れです。開業にはまとまった先行する資金が必要で「開業資金」といいます。

業種により必要な開業資金は大きく異なってきます。飲食業はかなりまとまった額のお金が必要です。

賃貸不動産(店舗)の敷金・礼金・仲介手数料・前払い家賃や設備などです。開店前から多額の設備資金を必要とします。

創業の決心がついたら必要な資金を大雑把に計算してみましょう。次に手元資金を考慮に入れて法人の資本金を決定します。

資金が足りなければ借入金が必要になります。

起業するとものすごい勢いで手元資金が減っていきます。予定の半分の期間ももたないでしょう。

趣味や飲み会なんて論外と感じるようになります。サラリーマンの頃の定額収入が懐かしくなります。お給料は本当にありがたかったと感じるようになります。

くどいようですが安定軌道に乗るまでのダム資金は必ず準備しておきましょう。起業する上での絶対ルールです。

(3)事業計画の見直し

  • 開業後の1年間は社長の給料が未払いであることはしばしばあります
  • それほど金策には苦労するものです
開業資金が足りない場合は事業計画の見直しが必要になります。サラリーマン時代の何でもそろえる完璧主義を捨てましょう。

まずは最低限にしぼって計画を練り直しましょう。

開業資金は贅沢を言っていれば切りがありません。本業の核になる部分以外は無料サービスや中古品を活用しましょう。

開業資金の節約に努めましょう。理想は儲かってから楽しみは取っておきましょう。

借入計画

(1)親ローンと日本政策金融公庫

  • 取り立ての甘い親ローンが第一候補
  • 金融機関の取り立ては無慈悲なものです
  • 第2候補は自治体の制度融資や政府系金融機関(日本政策金融公庫など)
借入金を検討する場合はまずは土下座をしてでも親ローンを頼みましょう。親ローンが難しい場合の次の候補は自治体や政府系金融機関になります。

銀行と比べても審査基準は比較的厳しくありません。金利や借入期間なども好条件が期待できます。

日本政策金融公庫「創業支援」を参考にしてください。借入方法の動画もありとても参考になります。

(2)事業計画書

銀行などで借入を希望する場合は「会社概要」と「事業計画書」の提出が求められます。会社概要は事実の羅列に過ぎません。

事業計画書は金融機関向けに少し工夫が必要です。銀行が求めるのはエクセル型のプレゼンです。

事業計画書のよくある悪い例は夢を語る型のプレゼンです。

銀行は売上や仕入・経費などの数字と根拠が知りたいのです:
  1. 1日いくらの物がいくつ売れるのか
  2. 1か月では総額いくらになるのか
  3. 経費などをマイナスすると利益がいくらになるのか
長期借入が希望ならば年間ベースの事業計画書の提出が求められます。

下記に簡単な架空の事業計画書をエクセルで作ってみました:
*1~3年目が資金ショート
**資金不足:300万円(=180万円+90万円+30万円)

事業計画では資金不足300万円の内100万円は自己資金(資本金)でまかないます。残りの200万円を借入希望としました。4年目から黒字(利益40万円)になる計画です。

その後の5年間で年40万円(合計200万円)を返済する予定です:

[借入希望条件]
  • 借入額:200万円
  • 借入期間:8年(3年間元金返済据え置き)
  • 元金返済:4年目から年40万円(5年間)
売上計画の説明なども銀行から求められます。プレゼンで焦らないように箇条書きで付記しておくと良いでしょう。

数字が間違ってなければ体裁はそんなに関係しないです。銀行向けの事業計画書を作成する際に参考にしてください。



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