合流新党代表選:2氏の政策比較(泉健太氏・枝野幸男氏)
はじめに
合流新党代表選(2020)の2氏の政策を比較してみました(順不同)。党派やイデオロギーに関係なく政策からの分析です。情報源は候補者のHPです。代表選は党内の関係性で決するのかもしれません。庶民に投票権はありませんが日本の将来を考える上で重要と考えました。論点整理に活用してください。
各候補者の政策概要
(1)泉健太氏の政策
提案型の野党第一党へ!政党名は「民主党」を提案。
【総論】
- 批判にとどまらず、政権政策・政権構想を全国民に提示
- 党に集う仲間の力が存分に発揮される、民主的な組織と運営
- 穏健保守層やリベラル層が結集する「改革中道の政治」を確立
- 全国民へのワクチン接種無料化
- 重症化の恐れがある高齢者などへのPCR検査無料化
- ウイルス特性と感染状況を踏まえた経済活動の再開
- コロナ収束までの消費税0%(財源は国債)
- 特別定額給付金再給付の検討と持続化給付金の要件緩和
- 財政再建のための国会財政推計機関の創設
- 児童手当を18歳まで月額15000円に(子ども3人で1000万)
- 少人数学級の推進(全学年 20人学級の推進)
- 育児休業給付の実質100%支給
- 男女共同参画社会の実現
- 選択的夫婦別姓制度の導入
- 農業者戸別所得補償制度の復活・拡充
- コロナ社会と次世代に対応した研究開発支援、IoT、AI、自動運転、ビッグデータ、ブロックチェーン技術、ロボット等の積極的な活用
- 技術・製品分野における世界標準化プラットフォーム戦略の推進
- 省エネ、蓄電、再エネシフトなどによる分散型エネルギー社会の推進
- 廃炉、使用済核燃料の減容化等を担う労働者・技術者の確保と育成。使用済核燃料の最終処分、立地地域の廃炉後の雇用・経済政策、への国の責任の明確化
- 「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」
- 健全な日米同盟を軸に専守防衛力を着実に整備
- 日米地位協定の見直し。安保法制の違憲部分の白紙撤回
- 現行憲法の基本的理念と立憲主義を維持。未来志向の憲法を議論。内閣の衆議院解散権の制約、新しい人権、地方自治、臨時国会召集規定等について、国民と議論を深めるときの政権による恣意的・便宜的な憲法解釈の変更は認めない
- 歳入庁創設による税と社会保険料の公正な徴収
- 国会議員の定数・給与削減
- 行政監視機能の強化。公文書管理の抜本的な見直しと情報公開の拡充
- ひも付き補助金の見直し、天下り規制の強化、特別会計等の見直し、官製談合の防止、随意契約の制限による税金の使い道の厳格な見直し
(2)枝野幸男氏の政策
脱・新自由主義。政党名は「立憲民主党」を提案。
1.新自由主義的社会を転換し、様々な危機にあっても命とくらしを守ることのできる支え合う社会を構築
- 役所の縦割りを乗り越えることのできる強力な司令塔を設け、トップダウンでPCR検査の拡大などを推進し、安心して社会活動、経済活動を進められる状況を作ります
- 医療をはじめとして、介護、保育、放課後児童クラブ、障がい福祉など、生きていく上で不可欠なベーシックサービスに対する公的支出を飛躍的に増やし、そこで働く皆さんの処遇改善をはかるとともに、質量ともに必要なサービス供給を確保します
- ①年収1000万円程度までの中間層を中心とした所得税の時限的な免除、②消費税の時限減税、③困窮している皆さんを直接かつ速やかに支援していく1人あたり月1万円、世帯単位ではない個人単位の定額給付金制度化。これらをハイブリッドに組み合わせ、冷え込んだ消費を刺激し、経済再生の着実な一歩を踏み出します
- 金融資産課税を始めとする富裕層の所得税や、多額の内部留保を抱えた法人に関する法人税を強化するなどで、適切な再分配機能を回復させます
- 自然災害を含めた今後の危機に備え、迅速に対応して国民の命とくらしを守るため、強力な司令塔となる危機管理庁(仮称)。その下の省庁横断的な感染症予防管理センター、いわゆる日本版CDC。そして、自衛隊などによる初動対応を引きついで、ボランティアに依存しなくても生活再建を支援できる実働部隊としての仮称、生活支援協力隊の創設などを進めます
- 森友事件の第三者による再調査を含め、隠されてきた公文書の公開を進めます
- 公文書管理法と情報公開法を抜本的に強化します
- 官僚の皆さんに忖度を強いることにつながった内閣人事局制度を見直します
- 自治体や公教育など、コロナ禍で決定的に人手不足であることがさらに明らかになった公的サービスの現場力を強化します
- 政府が最も遅れていると明らかになったデジタル化について、国民の皆さんに何かを求める前に、行政内部での転換を強力に推進します
- 多様な地域づくりを可能にするために、使い道を縛らない自治体への交付金を拡大します
- 多くの地域にとって基幹産業である一次産業について、その多面的機能に着目した個別所得補償を制度化し充実させます
- 自然エネルギーを中心とした分散型エネルギーシステムの推進で、エネルギーの地産地消に取り組みます
- 選択的夫婦別姓の実現をはじめ多様な家族のあり方を認め合い、ジェンダー平等を推進します
- 世帯単位で組み立てられた様々な仕組みを個人単位へと再編成します
- 健全な日米同盟を軸にしながら、アジア太平洋地域の国々との連携を強化して、外交の選択肢を広げます
- 多国間協調の枠組みで気候変動や核廃絶など地球規模の課題に貢献し、国際社会の恒久平和と繁栄に貢献します
- 辺野古新基地建設中止と地位協定改定を粘り強く交渉します
候補者の政策比較
まとめ
合流新党代表選2氏の政策比較をしてみました。政策は合流前の政党色が反映したものが多く見られました。一般の人は投票権がありません。政策分析がすぐに行動に結びつかないかもしれません。長い目で見れば政策分析は今後の政治行動の指針になるでしょう。
見識ある国民は政治経済を良い方向に導きます。良識ある国民が日本の財産です。今後も識見を高められるよう政策の勉強が必要でしょう。
付記:2候補に対する一言コメント(個人的見解)
- 泉健太氏:新たな提案型野党像の模索
- 枝野幸男氏:良くも悪くも反安倍政権
追記:選挙結果
- 代表選:枝野幸男氏107票🏆、泉健太氏42票
- 政党名:立憲民主党(枝野氏提案)94票🏆、民主党(泉氏提案)54票
- 幹事長:福山哲郎氏(旧立憲民主党)
- 政務調査会長:泉健太氏(旧国民民主党)
- 国会対策委員長:安住淳氏(旧立憲民主党)
- 代表代行兼選対委員長:平野博文氏(旧国民民主党)
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