くりっく株365レビュー
くりっく株365の商品設計
「くりっく株365」を知っていますか?東京金融取引所(TFX)で取引される株価指数証拠金取引です。東京金融取引所は金融デリバティブの総合取引所です。くりっく株365は証券会社や商品取扱会社を通じて取引ができます。
(1)メリット
全般的なメリットはレバレッジを効かせて投資ができる点です。初心者向けの金融商品ではありません。ほぼ24時間取引ができることも株式投資とは異なるところです。
利点をまとめると下記の通りです:
- 世界のメジャー株価指数に円価格で投資
- ほぼ24時間取引可能(8:30~翌6:00、祝日も取引可能)
- 配当あり/買い側(売り側は支払いあり)
- 売りからも取引可能
- 決済期限なし
- レバレッジ取引(20~30倍)
(2)デメリット
デメリットは「買い側」には金利が発生します。ときには配当を上回る金利負担があります。「売り側」は逆に金利が受け取れますが配当の支払いもあります。日経225は日本のゼロ金利政策により現在金利負担はありません。
くりっく株365の投資対象
世界の株価指数に投資することができます:- 日経225(日本)
- NYダウ(米国)
- DAX®(ドイツ)
- FTSE100(英国)
(1)FTSE100
英国のFTSEに投資したい人には向いています。ロンドン証券取引所の時価総額上位100社の株価指数に投資することができます。金融機関や資源関連の銘柄が多いのが特徴です。くりっく365の買い側には金利が発生するので投資判断には注意が必要です。
英国投資に興味ある人はニューヨーク証券取引所の「ADR」に投資することもできます。普通株のように個別投資ができます。
「ロイヤルダッチシェル」や「ユニリーバ」など多くの英国企業が上場しています。多くの英国企業は高配当です。
ネット証券を通して投資することができます。
(2)DAX®
ドイツに投資をしたい人には向く商品です。ドイツ取引所の30銘柄からなる株価指数に投資することができます。工業比率が高く輸出依存度が高いところが特徴です。DAX指数は配当込みの価格のため配当相当額の受払いがありません。
買い側には金利も発生するので投資判断には注意が必要です。
日本からドイツに投資する手段はあまりありません。アメリカ市場の「ドイツ銀行(DB)」や「ETF(EWG・HEWG)」などに限られます。
DAX指数取引はドイツに特別思い入れがある人には数少ない投資機会の1つです。
(3)NYダウ
米国のNYダウにレバレッジを効かせて投資したい人には向いています。NYダウは米国を代表する30銘柄から構成されている世界有数の株価指数です。買い側には配当を上回る金利が発生しているので投資判断には注意が必要です。
NYダウへの指数投資にはニューヨーク証券取引所(NYSE)の「ETF(DIA)」でも可能です。より広範な米国指数のS&P500にもNYSEの「ETF投資(IVV・VOO・SPY)」で可能です。
米国の個別株もネット証券を通して投資することができます。コカコーラやマイクロソフト・アップルなど馴染みのある銘柄に直接投資ができます。
(4)日経225
日経225(日経平均株価)にレバレッジを効かせて投資したい人には向いています。日経225は225銘柄で構成された日本の代表的な株価指数です。日本はゼロ金利なので現在金利負担もありません。少額資金でリスク管理をしてレバレッジ投資ができる人には向く商品です。
まとめ:くりっく株365は投資家を選ぶ商品
くりっく株365は万人向けの投資商品ではありません。商品設計を理解できかつ自分の特殊な投資ニーズに合う人向けの商品です。投資初心者にはまったく向きません。
くりっく株365を取扱う東京金融取引所はくりっく365(為替証拠金取引)も扱っています。外国為替(FX)をやる人にはこちらの方がなじみ深いでしょう。
どちらの証拠金取引もレバレッジ取引ができる点が長所であり短所でもあります。
レバレッジを効かした投資は資金管理が本当にやっかいです。リーマンショックのようなことが一度でもあれば「人生沈没」です。
リーマンショックのときにストレスで片耳が聞こえなくなった証券マンを知っています。うつになり1年ほど入院した証券関係者も知っています。
レバレッジ投資は借金をして投資するということです。借りたものは貸主の都合で必ず返却を迫られます。
投資が本業でなければ借金は住宅ローンのみというのがおすすめです。
長い目で見れば身の丈に合った投資が「成功の近道」です。
くりっく株365への投資は手元資金に応じてやる分にはリスクは限定されます。
投資信託やETFと同じです。
くりっく株365はリスク管理ができれば特殊なニーズに対応できる便利な金融商品です。
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