投資閑話:メディアの偏向(上級編)
曇った眼鏡:個人の嗜好
欧米のニュースは党派色の濃い報道がよくあります。最近の米国メディアの政治的偏向は目に余ります。中立性は絶望的です。経済ニュースも政治的に偏ったニュースが目立ちます。
国際政治のニュースは知的で洗練されていますが経済情報としては収穫は少ないです。ヨーロッパ情勢を気にするのはFXをする一部の投資家だけでしょう。
投資家が気にしなければならないのは政治問題ではなく中央銀行の動向です。ニュートラルな報道の稀少価値と重要性を感じる今日この頃です。
曇った眼鏡で見ると全てが曇って見える典型例です。個人的な意見はTwitterやClubhouseなどで吐き出すべきです。
曇りは番組ディレクターや編集者の嗜好に現れます。政治というと高尚ですが野球や漫画と変わりません。
個人の好みが仕事に影響するのはプロフェッショナルではありません。投資も同じです。
個人の嗜好に合わせて投資をすれば失敗します。投資はビジネスライクにやるものです。
応援したい企業に投資をしようと言う経済評論家がいます。一方的な勝手な思いは実るでしょうか?
見知らぬ片思いの人へのプレゼントと同じ結果でしょう。
メディア不信
(1)YouTubeやSNS
メルマガ/会員登録(有料)やYouTube・講演料等で稼ぐ投資アドバイザーは多数います。投資リテラシーを向上させればいかがわしい人にもひっかからなくなります。投資の世界は嘘で溢れています(特にFXや仮想通貨の界隈)。「何億儲けた~/SNS→情報商材を売りつける」がよくあるパターンです。
大手メディアもよく調べないで自称投資家をもてはやしたりします。結果として個人投資家の傷口を広げます。
いかがわしい人の信者や協力者になっていませんか?強欲や将来不安が高まると「悪魔の道」に引き寄せられます。
投資の世界に確実な儲け話などありません。誠実なアドバイザーは素人相手に「どや顔」などしません...
詐欺まがいの人の特徴は「よくしゃべる」ことです。難解な専門用語を畳みかけ相手の判断力を停止させます。
弱者をカモにするぼろい商売は違法ではありません。よくある資本主義のシビアな一面です。
口が上手い人や請求書を送ってくる人には十分気をつけてください。投資初心者のうちはうまい儲け話に近づかないことです。
(2)CMとステマ
証券会社も手数料の観点から頻繁な売買を促してきます。テレビのマーケット解説者はセルサイド(証券や投信会社等)の人間が多いです。セールスパーソンは面白おかしく時に不安を煽るのが常套手段です。彼ら彼女らが気にしているのは自分の懐であってあなたの懐ではありません。
経済ニュースのCMスポンサーも証券会社や投資信託会社が多いです。民放の番組内で紹介する会社や金融商品はステマでしょう。
今やタレントや女子アナがSNSでステマをする時代です。経済番組が商業活動に勤しめば中立性を毀損し信頼を失います。
全否定する必要はありませんが少し距離を置いて付き合うことが重要です。彼ら彼女らの発言がセールの一環かどうかを見極めることが必要です。
見抜く力がないうちは大企業とだけ取引することをおすすめします。大きな痛手は避けられるでしょう。
まとめ:個人は情報武装が必要
経済ニュースは投資の勉強になります。長い一生でかなりプラスになります。経済格差は情報格差と能力格差から生じます。情報源を聞くとその人の経済リテラシーがわかります。
厳しい言い方をすれば勝ち組の高給を支えているのは庶民の不勉強です。誰も言わない所得格差の大きな要因です。
逆転には情報武装が必要です。経済番組には地味ながら信頼に足る誠実な解説者もいらっしゃいます。
キーワードは信頼です。信頼は「誠実さ」と「能力」から成り立ちます。
しっかり勉強をして本質を見極めるようになってください。ダークサイドに加担しない賢明な投資家になってください。
関連記事:
「投資情報テレビ番組一覧(初級編)」
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※投資は自分で勉強してあくまでも「自己責任」でお願いします。👷♂️
追記:報道とキャスターの中立性
経済ニュースのキャスターには自分の見解を述べる人と述べない人がいます。WBSの佐々木さん(前者)と大江さん(後者)が典型例です。キャスターの姿勢により番組のテイストは変わります。視聴者の好みも分かれるでしょう。
解説者にも強く信条を述べる人がいます。好みが分かれるかもしれませんが言動に信頼があるかがカギです。
キャスターは中立性が非常に大切です。視聴者を欺き一度でも信頼を失えばキャスター生命が終わります。
今やSNS時代でステマはあちらこちらにはびこっています。知人の商品や企業の宣伝をお願いされることもあるでしょう。
特にフリーの人は収入が保障されていないので大変です。お金に頭を下げることもあるでしょう。
タレント化して面白おかしくやれば一時的にお金にはなりますが信頼はなくします。ニュースアンカーはストイックさが求められる大変な仕事です。
国民の耳にもなる重要な仕事でもあります。自己規律が求められるプロスポーツ選手のような世界です。
先日ロシアのプーチン大統領に大変厳しい質問をしていた女性キャスターがいました。真実を追求するジャーナリズムの鏡を見ました(ABCニュース)。