ENEOSでんき(新電力)レビュー


燃料費調整額の上限撤廃

(1)上限撤廃(2022年11月1日~)

  • 電気料金は毎月の燃料価格の変動を燃料費調整額として反映
  • 調整額は燃料価格の上昇の影響を緩和するために上限価格を設定してきた(過去)
  • 昨今の燃料価格の高騰の情勢で電源調達コストの高騰が避けられない情勢(現在)
  • 2022年11月1日から燃料費調整の上限価格設定を廃止(11月分~)
※他社切り替え:「にねんとく²割」(割引契約約款)の解約手数料(税込1100 円)は補填(負担なし)

新電力は各地域の電力会社(東京電力等)の従来プランの料金より大幅に高くなります。燃料費調整額の「上限設定のある電力プラン」に変更することをおすすめします。

大手電力会社の従来の電力プラン「従量電灯B」です。新電力は燃料費調整額の上限設定がなく電気料金が大幅に上がっています。
ENEOSでんき

(2)上限撤廃:一般家庭(月360kWh)の試算

楽観的に考えれば原油と円安のピークは過ぎました。政府の電気・ガス料金の負担軽減対策も決まりました。
電気料金の負担軽減対策
ガス料金の負担軽減対策
※値引き単価を反映した燃料費調整単価・原料費調整単価で料金を算定

手間を考えて放置する人もいるでしょう。放置したくない人は下記「従量電灯B」か「アクアエナジー100」に回避がおすすめです。

(3)東京電力「従量電灯B」か「アクアエナジー100」に回避

東京電力など「従量電灯B(上限設定あり)」に変更すれば増加は回避できます。東京電力の場合はカスタマーセンターに電話申込とENEOSでんきに解約電話が必要です。

他プランはネット申し込みができます(解約電話も不要)。東京電力は従量電灯Bの3割値上げを申請中です。全国の大手電力会社は規制料金の値上げ申請や検討を開始しています。

東京電力の「アクアエナジー100」は燃料費調整額が元々ありません:
  • 基本料金+電気量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金*
  • エネルギー価格の上昇リスクなし(不確定要素なし)
*全国全ての電力会社で同一の料金体系:3.45円/kWh(2022年5月分~2023年4月分)

一般家庭はアンペア「30A」未満だと従量電灯Bより割安になりました(値上げ前)。3割値上げ後の各自電気量とアンペアで電気料金の試算をおすすめします。

ネット申込も可能です。エネルギー価格が下落したら通常プランに戻すこともできます。

通常プランは燃料費調整額のマイナスを享受できるからです。ウクライナ侵攻前(2021年)のエネルギー価格ではアクアエナジー100は割高でした。

(4)東京電力のメリットと注意点

自由化後の新プランやアクアエナジー100は「口座振替割引(月55円)」は適用外です。今は「従量電灯B」のみ適用です(廃止になるかもしれませんが)。

くらしTEPCO webのポイントサービスでは毎月1回ログインで50ポイントがもらえます。貯まったポイントは好きなタイミングで300ポイント(300円)から各種交換できます。

東京電力はガス契約でも毎月1回ログインでさらに50ポイント(50円)がもらえます。電気とガスのセット割もありお得です(月102円割引/従量電灯Bは対象外)。

生活かけつけサービス」も無料でついてくるので地味に安心です(通常月330円)。従量電灯Bやアクアエナジー100は対象外ですが「とくとくガスプラン」が対象です。

関連記事:
「東京ガスの電気(新電力)レビュー」

(5)ガスの注意点

東京ガスは原料費調整額の変動額に上限があります。2022年10月検針分より段階的に上限額を引き上げます(7月以降上限超過の解消)。
調整上限段階変更(東京ガス)
※2022年8月適用分の平均原料価格「97,630円/トン」

東京電力のガスは割引があります(変動額上限がなくリスクも)。
とくとくガスプラン(東京電力)
ENEOSガス(4%割引)は東京ガスと同一単価を謳っています。


ENEOSでんき

下記は燃料費調整額の上限撤廃前の内容です。撤廃後は電気料金が高くなるリスクがあります。

(1)安心なENEOSグループ

ENEOSでんきはENEOSグループの安心・信頼の電気です。ENEOSホールディングスは日本の大企業です(東証一部上場企業)。身近な総合エネルギー企業です。

2003年に電気事業に参入しました。オフィスビル・倉庫・学校・レジャー施設や電力会社に電気を供給してきました。2016年4月にENEOSでんきとして家庭用電力販売を開始しています。

(2)自社発電施設

全国30ヵ所以上で発電施設を運営しています。発電所の新設にも積極的です。

安定的に電気を提供できる体制です(主力は石油やLNGの火力です):
  1. 川崎天然ガス(LNG)発電所:80万kW(自社引き取り51%)/ガスタービン複合発電
  2. フロンティアエネルギー新潟:10万kW(自社引き取り35%)/ボイラータービン発電
  3. 鹿島製油所:10万kW/ボイラータービン発電
  4. 仙台製油所:5.0万kW/ガスタービン複合発電
  5. 大分製油所:13.7万kW/ボイラータービン発電
  6. 水島製油所:4万kW/ボイラータービン発電
天然ガス(LNG)など環境負荷の少ないエネルギーも使用しています。天然ガスは地球温暖化・大気汚染の原因とされるCO2・NOxの排出量が少ないです。

再生可能エネルギーについても現在増強中です。

[電源構成](2018年度実績)
  • 石油火力:33.3%
  • LNG火力:31.6%
  • 再生可能エネルギー(FIT電気以外):0.3%
  • 取引所:21.4%(水力,火力,原子力,FIT電気,再生可能エネルギーなど)
  • FIT電気:0.3%(固定価格買取制度/再生可能エネルギーで買い取られた電気)
  • その他:13.2%(他社から調達した電気で電源が特定できないもの)

(3)おトクな電気料金

ENEOSでんきのVプランは電気料金が120kWhを超えると若干安くなります。時間帯や曜日を問わず使用量に応じて料金単価が異なる3段単価方式です。

電気使用量が多い人ほどおトクになる料金プランです。スマホなど他サービスとセットでなくても安くなるところが特徴です。

(4)ENEOS都市ガスも開始

2019年2月よりENEOS都市ガスも開始しました。家庭への都市ガス供給も行います。

電気とガスともに安心・信頼のエネルギーをお値打ち価格で家庭に届けます。東京ガスより4%割引になります。供給地域は今のところ関東エリア中心です。

まとめ:大手で割安な電気?

ENEOSでんきは大手の電力会社で電気料金もとてもおトクです。火力では天然ガスなど環境負荷の少ないエネルギーも使用しています。

毎日使うインフラだから電力会社は信頼できる大企業が安心という人は多いでしょう。でもやっぱり電気料金が一番気になるというのが庶民の偽らざる意見です。

同時に満たしてくれるのがENEOSでんきです。旧来の電力会社の有望な対抗馬になるのではないでしょうか。

賃貸に住んでいる人も申し込みができます。現在の電力会社への連絡(手続き)はENEOSでんきがやってくれます。

[ENEOSでんき対象エリア]
  • 北海道エリア
  • 東北エリア
  • 関東エリア
  • 中部エリア
  • 北陸エリア
  • 関西エリア
  • 中国エリア
  • 四国エリア
  • 九州エリア
2021年2月ENEOSでんきWEBアプリができて便利になりました。電気料金のチェックや各種手続きがスマホで簡単にできるようになりました。

関連記事:
「みんな電力(新電力)レビュー」

追記:

(1)東京電力の電源構成(2021年度実績)

  • LNG・その他ガス:56%
  • 石炭:21%
  • FIT電気:8%
  • 再生可能エネルギー:3%
  • 水力:3%
  • 石油:0%
  • 原子力:0%
  • その他:10%

(2)英国の電力構成

  1. ガス:38.1%
  2. 原子力:18.4%
  3. 風力:18.3%
  4. 輸入:10.3%
  5. 太陽光:6.3%
  6. バイオマス:5.2%
  7. 水力:3.4%
  8. 石炭:0.0%
再生可能エネルギー:33.2%

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