法人設立の届け出書類
開業の届け出概要
(1)開業の届け出
開業の届け出は事務所(本店登記)の該当地域に「法人設立届出書」を提出します:- 税務署
- 都道府県(税事務所)
- 市
大半の役所ではHPで書類をPDFファイルで提供しています。
郵送やネットでも提出も可能です:
- 税務署にはe-Tax(電子申告/国税庁)で提出
- 地方自治体にはeLTAX(地方税ポータルシステム)で提出
大切に「控え」として永久保存しましょう。役所への書類提出の基本です。
(2)年金事務所
- 年金事務所には従業員(1人社長も含む)の社会保険「新規適用届」を提出
- 郵送提出も可能
- 受領印コピーを返信してもらい「控え」として永久保存
時間的余裕はそんなにありません。法人設立早々に「罰則」を受けないように前もって書類の準備を進めましょう。
(3)法人設立ワンストップサービス
令和2年1月20日より法人設立ワンストップサービスが開始されました。「マイナポータル」経由で一括で手続きができるようになります。申請可能な手続きについては下記を参照にしてください⇒法人設立ワンストップサービス「申請可能な手続一覧」
法人設立ワンストップサービス全般については下記を参照にしてください⇒「法人設立ワンストップサービス」
法人設立届出書の添付書類
- 定款等の写し
- 株主又は合同会社等の社員・その他法人の出資者の名簿の写し
- 設立趣意書
- 設立時の貸借対照表
形式だけネットで確認し金額を記載するといいでしょう。定款は法務局に提出したものです。
以下では税務署への提出書類について記載しています。税務署への提出書類は大変多いです。ある程度勉強してから提出書類の確認に税務署を訪問してもいいでしょう。
その他届出書
(1)源泉所得税関係の届出書
①「給与支払事務所等の開設届出書」
- 報酬などを支払う場合には所得税(及び復興特別所得税)を差し引く
- 給与や税理士・弁護士・司法書士などに報酬を支払う場合など
- 差し引いた所得税は翌月10日までに国に納める(源泉徴収義務者)
②「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
- 源泉徴収した所得税を半年分まとめて納めることができる特例
- 給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者(会社等)が対象
- 事務負担がかなり軽減されます
(2)消費税関係の届出書
- 課税売上高が1000万円を超えると「課税事業者」
- 「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」の提出が必要
- 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すると「簡易課税制度」が適用
- 簡易課税制度は課税売上が5000万円以下の場合
- 課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができます
- 実際の課税仕入れなどの税額を計算する必要はありません
(3)青色申告の承認申請書
- 提出すると青色申告のメリット(節税効果)が受けられる
- 損金繰越(欠損金額の繰越期間は10年)など
- 起業直後の会社は赤字決算が多いので節税効果は大きい
- 提出することを強くおすすめ
- 決算申告の提出期限に遅れると青色申告のメリットを剥奪されます(経験談)
(4)棚卸資産の評価方法の届出書
- 大まかに分けて「原価法」と「低価法」
- 会社の業種に合わせて経理し易いものを選んでおきましょう
(5)減価償却資産の償却方法の届出書
- 「減価償却」とは資産の取得金額を各年の経費として配分する経理手続き
- 「定額法」や「定率法」などの償却方法を選択
- 資産がない会社も取り敢えず節税になりそうな方を選択しておきましょう
(6)有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
- 「移動平均法」か「総平均法」の選択
- 有価証券の購入予定がない場合は提出不要
- 届出がない場合は自動的に移動平均法になる
下記の国税庁HPに「事業を始めたときに必要な届出」がよくまとまっています⇒国税庁「個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき」
詳細を知りたい人は下記の参考資料(国税庁HP)も参考にしてみてください:
- 「新設法人の届出書類」
- 「源泉徴収義務者とは」
- 「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」
- 「消費税の各種届出書」
- 「簡易課税制度」
- 「青色申告書の承認の申請」
- 「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」